3月29日 マリモの日

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1952年の今日、阿寒湖のマリモが国の特別天然記念物に指定されました。これを記念して、3月29日は「マリモの日」と呼ばれています。

マリモ Photo by iStock

マリモ(毬藻、学名:Aegagropila linnaei)はイトミソウ科の植物で、藻類に分類されます。私たちが「マリモ」と言われて一般に思い浮かべるあの姿は、実は糸状のマリモが多数集合している姿なのです。

マリモは世界各地に分布し、日本でも青森県の小川原湖や富士五湖などに生息しています。しかし、球状になったマリモが群生しているのは阿寒湖とアイスランドのミーヴァトン湖のみでした。さらに、2010年代には工場の排水が原因でミーヴァトン湖のマリモが壊滅状態になってしまいます。今では、阿寒湖は丸い形のマリモが群生している世界で唯一の湖なのです。

では、どうして阿寒湖のマリモは球状にまとまっているのでしょうか? その研究の歴史は、19世紀末にまで遡ります。

阿寒湖 Photo by iStock

まず、1897年に植物学者の川上瀧彌(たきや、1871-1915)が球状のマリモを発見した時には、糸状のマリモとは別種であると考えられていました。研究が進むと2つは同じものであるということが明らかになり、その理由を多くの研究者が追い求めました。3月26日の本欄で紹介した西村真琴(1883-1956)も、その1人です。

阿寒湖のマリモの秘密が明らかになってきたのは、21世紀になってから。

阿寒湖北側のチュウルイ湾付近では、毎年5月下旬ごろに風速7〜10mの南風が吹きます。この風が湖底に水流を作ることでマリモが回転し、球状にまとまることができるのです。風が弱すぎると水流が湖底に届かず、かといって強すぎるとマリモが岸に打ち上げられてしまいます。

あの綺麗な球形は、自然の微妙なバランスによって生まれているのですね。