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ラーメン一蘭が「超強気の値段」でも行列を絶やさないワケ

唯一無二のラーメンが出来るまで
刈部 山本 プロフィール

「美味しさ」という素地があればこそ

創業者のこだわりが、恐らく本人も思いもよらなかったであろう形で発展し、多くの人々の口に運ばれるようになった一蘭のラーメン。

日本国内では、味集中カウンターが他人からの目を気にするという、日本人らしい気質で受け入れられたが、これが海外の人からすれば、非常に奇妙というか、思いも寄らないアイデアで、クールに映ったのだろう。

 

まるでテーマパークの乗り物に乗るような、一種のアトラクション的な面白さを日本に来た外国人がSNSなどで拡散するうちに、気付けば瞬く間に世界に広まった。今でこそコロナの影響はあれど、都内の店舗には常に外国人客が列をなし、店舗自体も海外に進出を果たした。

ただ、店が面白いだけではここまで人気は出ないはずだ。日式ラーメンの世界的ブームとも巧みにリンクしたということもあるが、豚骨を煮込んで脂の溶け込んだ旨みたっぷりでクセになる九州ラーメンという素地があり、そこから独自の豚骨ラーメンになっていったからこそ、受け入れられたのではないだろうか。

「100%とんこつ不使用ラーメン発祥の店」と掲げる一蘭西新宿店(筆者撮影)

さらに、最近では「100%とんこつ不使用ラーメン」を開発するなど、諸事情により豚を口にできない人々にまでアプローチしようとしている。東京・西新宿店はこの豚骨不使用発祥の店として営業しており、実際に筆者も食したところ、豚骨不使用かと信じられないほど、豚骨スープにしか思えなかった。通常の一蘭のラーメンよりもこってりと感じられるほどだ。

多くのラーメン店がある中で一蘭だけが持ち得たもの。それは、自らの味を提供したいあまりに、独特すぎるシステムを構築したことに尽きる。一蘭に行ったら、そのワールドを丸ごと楽しんでほしい。そこで初めて、一蘭の味が完成するのだから。