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ラーメン一蘭が「超強気の値段」でも行列を絶やさないワケ

唯一無二のラーメンが出来るまで
刈部 山本 プロフィール

強気の値段でも行列店になれたワケ

先代の味を守るために吉冨氏が行ったのは、麺やスープといった素材は自前の工場で一括生産するというセントラルキッチン方式の採用。こうすることで味の均一化を図りつつ、味が盗まれることも防止することを図ったのだった。

たしかに、本社や工場がトップダウンですべてを管理するシステムは合理的ではあるが、一般的に「冷たい」とか「人間味がない」といった印象を持たれかねないという不安もある。しかし、博多ではスグにこの一蘭のシステムが話題となった。

女性客が圧倒的に多いのも一蘭の特徴(Photo by GettyImages)

当時ラーメン一杯の値段が400円程度だった福岡にあって、一蘭は650円という強気の値段設定。それにもかかわらず行列店となったのは、徐々に先鋭化されていくシステムに対して消費者が面白みを感じたからではないか、と筆者は考えている。

そして、そのシステムこそ、味集中カウンターやオーダー用紙なのだろう。実際、1号店の那の川店(福岡市南区)では、厨房とを仕切る暖簾はあるものの、隣との仕切りはなく、今でも一般的なカウンター席となっており、5号店となる博多店になってようやく仕切りが採用されている。

 

仕切りができた背景には、女性からの「ラーメンを1人で食べるところを見られるのが恥ずかしい」という声があったからだという。同様に「替え玉も声を出して頼みづらい」という意見にも、「替玉プレート」を目の前のボタンの上に置くだけで済むように対応し、卓上で注文が完結できるようなシステムが出来上がっていった。

このように、味以前に、そもそもラーメンを食べに行くことすらままならなかった層をも取り入れることで、一蘭は全国区の豚骨ラーメン店になれたのだろう。