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ラーメン一蘭が「超強気の値段」でも行列を絶やさないワケ

唯一無二のラーメンが出来るまで
刈部 山本 プロフィール

かつては「会員制の店」だった

つまり一蘭は、油でこってり度の調整をできるように(しかも天然由来でトランス脂肪酸ゼロの油を使用)し、豚骨臭を消すなど、早い段階から単に博多のスタイルを押し付けることをしなかったのである。九州だけに留まらず、広く支持される要素を早々に取り入れたわけだ。

だが、当初から一蘭が、今の人気を支えている味集中カウンターやオーダー用紙を採用していたわけではない。

「オーダー用紙」では味の濃さやこってり度、チャーシューやねぎの有無などが選べる(Photo by GettyImages)

1960年、屋台として創業した一蘭(当初は別の屋号だったが、1966年に現在の名前に改名)。この時点で、唐辛子ベースの「赤い秘伝のたれ」は浮いていたらしい。これが人気となって一躍行列ができる有名店となった。

しかし一方で、味をパクるラーメン店も続発すると、すでに高齢だった店主夫婦は廃業を決意し、支店を出さず、味も門外不出とした。

 

とは言え、そのまま一蘭を名乗る偽店舗が幅を利かせる状況を看過できないのも事実。そこで同店は規模を縮小し、1992年に10年以上通う常連客のみが入ることができる会員制ラーメン店として生まれ変わったのである。

営業を続ける傍ら、後継者を探した店主夫妻。1995年に会員制ラーメン店は閉店するが、そこの常連客だった吉冨学氏が社長となり、前後して1993年に現在の一蘭が誕生することとなる。