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ラーメン一蘭が「超強気の値段」でも行列を絶やさないワケ

唯一無二のラーメンが出来るまで
刈部 山本 プロフィール

博多ラーメンの枠を超えた一杯

さて、久々の一杯はというと、九州の豚骨ラーメンというイメージからは離れた、クセのない、サラッとした味わいだった。注文シートで「こってり」と指定したので、表面に油の層が若干出来ていたが、コクはこの油から感じられるくらいで、スープ自体は実にさっぱりとしている。

味としては、博多ラーメンという枠を超えて、世界の「日式豚骨ラーメン」になった、という印象を受けた。と聞くと、「豚骨ラーメンと博多ラーメンのナニがどう違うの?」と思われる方もいるかもしれない。

赤い秘伝のたれが特徴的な「天然とんこつラーメン」

両方とも豚ガラを煮込んだスープをベースとしていることに変わりはない。しかし、豚骨ラーメンが定着した九州においては、単に豚骨のスープというだけに留まらない“独自のスタイル”というものがある

先に、こってりは油を加えると述べたが、多くのオーソドックスな豚骨ラーメンを出す九州の店では、東京のラーメンのように、透明な油(多くはラード)を加えない。豚骨にある脂が、煮込まれることでお湯と合わさって乳化しているので、後付でコクを演出する必要がない。

 

東京の豚骨ラーメン店ではラードを加える店が多く見られるが、九州スタイルが好みの場合に「油抜き」と言えば、スープ本来の味が楽しめる。ちなみに、九州で油の浮いたラーメンに出会うこともあるが、ラードを使わないところは寸胴に浮いた油分を掬って足してくれるケースもままある。

このように、本場の九州人が作る東京の店でも、土地に合わせて微妙に仕様を変更していることが多い。そしてここに、一蘭が人気となった要因が隠されている。