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コロナ危機のウラで法改悪…「働く高齢者」が危なくなりそうなワケ

改正高年法の危うさをご存じですか
竹信 三恵子 プロフィール

「高年法」改正案への「起業促進」の盛り込みも、似ている。

大手企業の管理職などに代表される、公的年金や蓄えがあって「働くかどうかを選べる」高齢者のイメージが目くらましとなり、そうした「溜め」に依存できず、再雇用などで働き続けるしか生活を維持できない「選べない高齢者」の労働権の保障がおざなりにされる結果を招いているからだ。

「選べない高齢社員」の選択権を確保するには、「労組の合意」だけでなく、選べる権利を明確に規定する必要がある。それなしでは、「起業の促進」は、継続雇用の努力義務を無化する方向に作用しかねない。

「8割」が働く上で不安を抱えている

「フリーランス」は、IT(情報技術)の発達の中、個人がネットを介して仕事の注文を受ける「ギグワーク」などの新しい形で広がっている。

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連合が1月、全国の20歳以上の1000人に対し、インターネットを通じて行った「ネット受注するフリーランスに関する調査2020」では、8割が働く上で不安を抱えているとし、「収入が不安定」「報酬や条件の一方的変更」「失業手当がない」などが挙げられた。

 

労働弁護団によると、フリーランスの7割以上が、人材派遣や紹介業など「クラウドソーシング」(インターネット上で企業が不特定多数の人々に業務を発注する新業態)の事業者を利用している。

これらの人材ビジネスで、労働権を行使しにくい不安定な働き方として規制されてきた派遣労働から、雇用責任の外の業務委託へシフトが起きている恐れもあると、同弁護団は懸念する。