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コロナ危機のウラで法改悪…「働く高齢者」が危なくなりそうなワケ

改正高年法の危うさをご存じですか
竹信 三恵子 プロフィール

手取りが「ゼロ」に……

先述の集会では、全員が正社員だった生活関連用品の有名企業で、子会社の販売担当社員を個人事業主扱いし、委託契約化が進められてきた事例が報告された。

ここでは、販売価格の割引率は本社が決め、営業努力で獲得した顧客情報も本社のものになり、勤務日も出勤時間も会議も会社が決めている。

それでも「自営」だからと、営業に使う車のガソリン代などの諸経費は自己負担だった。

〔photo〕iStock

その結果、手取りがゼロになったり、減収分を会社からの「貸し付け」とされたり、最低賃金を大幅に下回る収入の時期があったりする社員も出ているという。

現在、これらの社員が労組を結成し、「自営だから」と団体交渉を拒否する会社の対応を不当労働行為として労働委員会で争っている。

集会では、「このような労働法の保護なしで、高齢者が不当な働かせ方に対抗できるのか」という弁護士からの発言も出た。

 

フリーランスは「労基法の対象外」

今回の新型コロナ感染にまつわる休業保障問題は、さらにそうした自己責任性型の働き方の危うさを浮かび上がらせた。

3月12日、MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)フリーランス連絡会、日本俳優連合、落語芸術協会、日本ベリーダンス連盟が開いた記者会見では、イベントの一斉自粛によって、フリーランサーたちが、取材、撮影、高座、演奏会、講演、カルチャー教室、児童劇などからの収入を断たれてしまった現状が相次いで報告された。

労働基準法26条では会社が指示した休業は補償の対象になり、感染時の休業に対しては健康保険の傷病手当もある。

だが、「自営」として雇用扱いにならないフリーランスは労基法の対象外で、加入する国民健康保険は原則、傷病手当が出ない