高齢の親とコロナについて話していますか?

もらい受けたトイレットペーパーは溜まってしまったが、今回、うちの母はたまたま買い占めに走らないでくれた。軽い怪我をしていたというタイミングもあったが、新型コロナウイルスのニュースが出てすぐに、母に電話で「慌てなくても大丈夫だよ」という言葉とともに、注意喚起をしたことも少し効果があったのかもしれない。というのも、うちの母はテレビの健康番組が大好きで、健康法にすぐに踊らされ、〇〇を食べろ、〇〇がやせると、すぐに信じ込むタイプだからだ。5年前には、テレビの情報に踊らされ、コンドロイチン系の謎のサプリメントを総額40万円近く購入し、私はひどく叱った経験もあった。

そんなこともあり、今わかっている新型コロナウイルスの情報をできるだけ冷静に、”マイルドだけれどしつこく伝える”ことにした。ネット環境がなく、テレビが情報源の母に以下のことを伝えた。

◆高齢者はかかると危ない病気だが、無駄な外出を控えて予防すればパニックになる必要はないこと。
◆家に閉じこもりすぎは運動不足になるので、人が多く集まる場所でなければ注意して普通に生活していいこと。
◆マスクよりも、とにかく手洗いをマメすること。
◆ちょっと調子悪いぐらいでは病院に行くのは避け、定期的に通っている病院に行くときは、できればマスクをつけていくこと。
◆バスの車内や病院では、むやみに周囲を触らないこと。触ったら手洗いすること。
◆買い占めや買い溜めをしないこと。
◆熱とか風邪の症状が出たら慌てず、まずは私に連絡をすること。

私は仕事で医療系の取材が多いため、信頼できる医師たちの声を集めて母に伝えようと思ったのが以上の項目だった。伝えるときには、上から一方的な言い方だと、反発されてしまうので、「これは私も注意しなくちゃいけないことだし、いつまでもお母さんには元気でいてほしいからね」と少し楽し気に明るめに話してみることにした。

さらに、テレビのワイドショーを見て、母の気持ちがデマなどに揺れ動ないように、テレビに出て解説する専門家や医師にもさまざまな人がいて、情報として信頼できる人ばかりが出ているわけでなないことも説明しておいた。メディアがよく使う「感染症の第一人者」「ウイルス対策のプロ」という表現にもレベル差があり、実は専門家ではない人も多くいるので、テレビの情報だけで判断しないように、と話した。

母にしつこく話したことが功を奏したのか、今のところ母は冷静でいてくれている。が、バス停などで近所の知り合いといっしょになると、「免疫力を上げるために、これから納豆を買いに行く」「外国で感染が広がると、パンや麺も値上がりするといけないから買いに行く」「〇〇という薬が効くと聞いたから買ったほうがいい」という言葉が飛び交うという。母には過度に反応しないように伝えているか、そこは母のコミュニティなので、離れて住む私が今後どこまで守れるかは、正直定かではない。