「火星人襲来」パニックと武漢肺炎、人々の漠然とした不安の原因は?

そろそろ必要以上の恐怖に気付こう
大原 浩 プロフィール

そろそろ後ろを振り返ってもいいのでは

一目散に逃げると言っても、いつまでも全速力で逃げるわけにはいかない。そろそろ、後ろを振り返って、本当に追いかけてきているのかどうか確認すべきではないだろうか? 走りすぎて心臓が止まってしまったとしたら馬鹿げている。

最初は大騒ぎすべきだが、ある程度の情報が集まってきたら「冷静な判断」を徐々に取り戻す必要があると思う。

例えば、日本の交通事故の死者は2019年に3215人であった。また自殺者の数は交通事故の死者と同じように近年低下傾向にあるのだが、それでも2019年において、1万9959人(速報値)であった。

「過剰反応」が、経済停滞を招き、自殺者の数が1%増えるだけで200人、1割増えれば2000人、ピークであった2003年の3万4427人まで戻るとしたら、新たに約1万5000人もの人が亡くなることになる。実際、2003年は、りそなショックなどが起こり、さらにはSARS騒動が追い打ちをかけ、日本経済はどん底にあったと言っても良い。

「経済」よりも「人命」優先は当然だが、「経済」が「人命」に関わる場合もあるのだ。また、武漢肺炎騒動で、通常の医療・治療が負の影響を受けたことは想像に難くないが、その負の影響によって亡くなった方々の数の統計は取られていないので不明である。

「習近平国賓招待」や「オリンピック開催」の思惑があったせいか、共産主義中国からの全面的入国禁止措置が遅れたときは、正直言って恐怖を感じたが、現状の諸外国の現状を見れば、「日本国民」は「よく頑張った」と、自分で自分をほめても良いのではないだろうか?

もちろん、非難を浴びた政府や各省庁も諸外国に比べれば相当健闘したのだが、一番ほめるべきは日本の民度の高さである。

東日本大震災の時、食事途中でファミレスから避難した人々が、後日、代金を支払いに続々と戻ってきたという逸話は、世界の人々を驚愕させた。

 

今回も、国民の人権を守るために強制的措置を極力避けて「要請」中心に対策が行われたにもかかわらず効果をあらわした。もちろん、日本でも一部の不心得者がいることは情けないが、それでも大多数の国民の民度が高いからこそ、「要請」が効果を発揮したのだ。