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「火星人襲来」パニックと武漢肺炎、人々の漠然とした不安の原因は?

そろそろ必要以上の恐怖に気付こう

最初は一目散に逃げていい

我々がまだ知性・知識・文明で「武装」する前、例えば人類とチンパ ンジー ・ゴリラとの祖先が分かれた(人間は決してサルから進化したのではない、祖先が同じなのだ)のは500万年以上前だと推定される。そのころの我々の祖先は、茂みが揺れただけで一目散に逃げ出すという無駄な行為を繰り返していたはずだ。

茂みが揺れただけでは、ただ風が吹いただけなのか、それとも大型の肉食動物が潜んで彼らを狙っているのかはわからない。例えば、武漢肺炎での死亡率を巷でささやかれる2%としよう。この比率を茂みに大型捕食動物が潜んでいる確率に当てはめることにする。

50回茂みが揺れたうちの49回は「空振り=大型捕食動物は隠れていない」ことになる。世の中の多くの評論家は、「49回空振りなのだから無駄に走るな」と馬鹿げたことを言うが、1回でも遭遇すれば「人生がゲームオーバー」になる可能性が極めて高い。

 

だから、ほとんどが徒労に終わるにしても、茂みがゆれたら後ろを振り返らずに一目散に逃げた個体が我々の祖先であるはずである。「49回は空振りだよ」とご高説を垂れていた個体は、子孫を残す前にこの世から消え去ったであろう。

未知の脅威に遭遇した時に大騒ぎするのは人間の「正しい生き残り戦略」なのである。過剰反応こそが「人類滅亡」を阻止してきた重要な「本能」である。

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