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バフェットの師匠が教える「粉飾決算の見分け方」

ゴキブリが1匹だけのはずがない

企業の「偽装」はいつまでも続く……

最近では、子会社の東芝ITサービスで、2019年4~9月期に売上高に200億円規模の架空計上(循環取引)があったことが判明した東芝。

歴代3社長が有価証券報告書に架空の利益を計上したとするスキャンダルで世間を騒がしたにもかかわらず、反省が足りないとしか言いようがない。

東芝の全般的な問題点については、12月15日の記事「“サザエさんを失った”東芝はどこまで大迷走するのか」を参照いただきたい。

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また、民主党政権下で不明朗な「破たん処理」を行ったJALにも、過去のさまざまな会計疑惑が浮かんでいる。

上場大企業といえども「粉飾」「不正会計」「偽装」問題はしばしばおこる。このような問題に関して、投資の神様ウォーレン・バフェットはどのように対応しているのであろうか? それは、「ゴキブリが1匹だけのはずがない」という一言に集約される。

キッチンの床に不幸にも這いだしてきた(ゴキブリも自然界の一部であり嫌うのは人間のエゴである)黒い塊に、すかさず殺虫剤を吹きかけてあの世に送った後に「これで一件落着」と思う人はいないであろう。

同じように、バフェットも企業の報告に「あれっ」と思うようなことがあれば、その背景を必ず考える。シンクの配管の裏などの思わぬところで、ゴキブリの卵が「エイリアン」さながらに育っていないかと考察をめぐらすのである。

バフェットは今回の武漢肺炎騒動でも全く動じず、企業の「価格」ではなく「価値」に投資をしていることは、3月25日「『コロナほどの大暴落も悠然と構えればよし』バフェット流投資の秘訣」で述べたとおりだ。

また、バフェットは「1年間市場が閉鎖されても大丈夫な企業にしか投資しない」とも述べている。いくら市場が暴落しても平然としているのは、投資企業の価値に絶対の自信を持っているだけではなく、もし売るとしても1年後、2年後で十分だからあわてて安値で売る必要がないからである。

しかし、もしその間にその企業が「破たんしたらどうしよう?」と考えるのが一般投資家だ。もちろんその可能性はゼロではないが、バフェットは、1匹ゴキブリを見つけたら「その巣を徹底的に捜索」しているから心配しないのだ。

 

バフェットのような徹底的な調査は大変だが、師匠のベンジャミン・グレアムが、一般投資家でもできる方法を、その著書「賢明なる投資家」で述べている。