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# 医療

4月から開始! 乳がん「予防」手術が保険適用、その知られざる効果

遺伝子検査もフォローアップも…!

何らかの病気になった人が、その部位を摘出したり、治療を受けたりするのは普通のことだが、まだ病気になっていない健康な部位にメスを入れるなんて、どうして…?
多くの人はそう感じるのではないだろうか。

ところが、2020年4月から、病気を発症していない「未発症部位」の治療に対して保険適用が認められることになったことをご存知だろうか。この保険適用がなぜ行われたのかを今回は紐解いていこう。

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遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)とは?

2019年12月13日、厚生労働省は、「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(以下、HBOC(エイチボック))」の患者に対する予防的切除等を保険適用とすることを決定した。

これらの治療の有効性や安全性が確認され、国内ガイドライン等にも位置づけられたことなどを踏まえた措置で、中央社会保険医療協議会に提案し、了承を得た。

今回の保険適用の対象になるのは、すでに乳がんなどを発症している患者に対する予防的な乳房切除や卵巣切除など。

HBOCの診断に欠かせない遺伝子カウンセリングや遺伝子検査や、HBOCと診断されたが、予防的切除をしなかった患者に対するフォローアップのMRI検査なども対象になる。

2020年2月7日の中央社会保険医療協議会・総会では、2020年度診療報酬改定の答申が行われ、具体的な診療報酬の点数なども発表された。

 

HBOCとは、生まれつき遺伝子(BRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子)に異常があるため、乳がんや卵巣がん、前立腺がんなどの発症リスクが高くなる遺伝性がんのひとつ。

基本的に、がんのおもな原因は生活習慣(環境要因)と言われているが、一定のがんについては、5~10%の割合で遺伝子の変異(遺伝要因)によって発症する。その中で最も多くを占めるのが、HBOCである。