新型コロナが欧米社会を破壊…「日本モデル」は成功するのか

自由主義社会の真価が問われている
篠田 英朗 プロフィール

全般的には、検査数を抑えて医療崩壊を防ぐことによって重症患者への対応を維持できていることは大きいのだろう。

また、クラスター発見に尽力している「対策班、感染者、濃厚接触者、保健所、地方公共団体」の地道な努力も奏功している。

衛生度の高い社会インフラがあることは大きいと思われるが、加えて痛感するのは、国民一人一人の自発的な努力の度合いが高いことだろう。

自由主義社会に生きる人々の努力の積み重ねによって、危機は緩和されうるのか。そうすれば、経済活動と危機対応の両立を図り続けることは可能なのか。

日本モデルが持つ意味はそこだ。今や自由主義世界の卓越性そのものが、大きく揺らいでいる時だ。日本モデルの意義について、日本人自身の意識化が望まれる。

日本モデルの特徴

3月19日『新型コロナウイルス感染症対策専門家会議・新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言』は、「①換気の悪い密閉空間、②人が密集している、③近距離での会話や発声が行われる、という『3つの条件が同時に重なる場」を避けるための取組を、地域特性なども踏まえながら、これまで以上に、より国民の皆様に徹底していただくことにより、多くの犠牲の上に成り立つロックダウンのような事後的な劇薬ではない『日本型の感染症対策』を模索していく必要がある」(10頁)と述べた。

ここで言われている「日本型の感染症対策」とは何なのか、まだ明確ではない感はある。「専門家会議」にとっても、「模索していく」ものにとどまっているようだ。しかし、そろそろ「日本モデル」の意味を、はっきりと意識化させていきたい。

 

「密閉・密集・密接の回避」を中心にする戦略は、完全封じ込めでなくても、飛沫感染によるクラスター発生さえ防止すれば、医療崩壊を回避する範囲内で拡散を抑え込める、という考え方によるものだろう。

「3条件が重なる場所を避ける」だけの対応なら、経済活動や交通機関その他の日常生活を全面的にストップさせなくていいところが重要だ。