新型コロナ危機、「間違った政策」で日本人は「大打撃」を受ける

経済悪化で将来世代がアブない…
近藤 駿介 プロフィール

悪影響をもたらさないために

現在、与野党が出している緊急経済対策は、リーマン・ショック後の経験から効果が疑問視されている国民への現金給付額の大きさを競い合うような低次元の内容になっている。

仮に国民民主党が主張する10万円を1億2000万人の国民全員に給付するとしたらその総額は12兆円、自民党が検討していると報じられている5万円だとしてもその総額は6兆円にも及ぶ。

財政が厳しい日本で実績としてその効果に疑問が投げかけられている政策にこれだけの財政支出をすることが賢明な選択なのだろうか。コストパフォーマンス面から言えば、1~2兆円程度の補給で元利金返済免除分した方が効率的なはずである。

貸出とは異なり家賃総額に関する統計はない。しかし、日本企業の総売上(1553兆円)とGDPの持家帰属家賃から推計して超大雑把に年間約120兆円程度、月に10兆円だと仮定すると、3ヵ月間家賃の全額を免除によって家主は約30兆円の売上を失う計算になる。

しかし、借入金の元利金返済免除と組み合わせれば、不動産収入はなくなるが、同時に借入金の元利金返済もなくなるので、ローンを組んで不動産を所有、アパート経営などをしている人たちへの影響は限られ、社会基盤を揺るがすようなことにはならない可能性が高い。

新型コロナウイルス感染拡大防止のために政府が要望している経済活動の自粛は、多くの企業と労働者から売上と収入を奪うものでもあるから、家主や金融機関にも一時的に売上を我慢してもらうことは、国民負担の平等という観点からも理に適っているはずである。

国民及び企業に家賃と借入金の元利金返済を3ヵ月猶予し、国が金融機関に逸失利息を補給することにしたら、財政支出は1兆円程度で済む。これに与野党が額を競っている効果は怪しいものの国民受けの良い現金給付を加えても、財政支出は10兆円程度で済ませることができる。

 

こうした「今までの発想にとらわれない対策」によって新型コロナウイルスが終息するまで企業倒産や失業者の「オーバーシュート」を抑え、現在の社会基盤を維持するというリターンが得られるとしたら、コストパフォーマンスとしては決して悪くないはずである。少なくとも一人に10万円の現金給付をするために12兆円を使う場合に比べれば。

「今までの発想にとらわれない対策」で、新型コロナウイルスを克服するまで社会基盤を維持してリーマン・ショック時のような景気悪化を回避する必要があるのは、将来世代に回すツケを小さくするうえでも重要なことだ。

それは、今リーマン・ショックのような事態を起こしてしまえば、将来世代の年金受給に取り返しがつかない悪影響が及ぶ可能性が高いからだ。