新型コロナ危機、「間違った政策」で日本人は「大打撃」を受ける

経済悪化で将来世代がアブない…
近藤 駿介 プロフィール

家賃と借入金元利返済の一時免除

新型コロナウイルス感染拡大防止のための経済活動自粛は、多くの企業や国民から「売上」を奪い去るものだ。

政府は無利子無担保の融資を拡充して中小企業の資金繰りを支援しようとしているが、売上が立たない限り資金繰りは改善しない。無利子無担保とはいえ所詮返済しなければならない借金に変わりはなく、単に将来の負担を増やすものでしかないからだ。

売上が立たない企業にとって大きな負担となるのが人件費や家賃という固定費と借入金の元利返済である。ポイントは家賃や借入金の返済額は企業が主体的に削ることができない支出であるのに対して、人件費は企業が主体的に減らすことのできる支出だというところだ。それゆえに、売上が立たない中で企業が存続を図る際には人件費削減は論理的な選択肢になってしまうのだ。

しかし、多くの企業が企業存続のために人件費削減に走れば、収入を失った多くの労働者が消費活動を抑えようとするため経済全体が回らなくなり、まわりまわって企業が存続の危機に追い込まれることになる。

〔PHOTO〕gettyimages

こうした負のスパイラルに陥らない、あるいは陥るまでの時間を延ばすために必要なことは、人件費以外の負担を先に軽減させることである。その一つの手段が、家賃と借入金元利返済の一時免除である。

もし売上が立たない期間の家賃や借入金の元利金返済が免除されれば、企業は雇用を維持したまま存続を図る時間を得ることになる。とはいえ、家賃や借入金返済を免除するということはそれを収入源としている人や企業の売上を奪うことでもある。

単純に借入金の元利払いを免除してしまうと、お金を貸している金融機関が本来得られるはずの利息収入を失うことになるので、金融システム崩壊のリスクを高めることになる。したがって、逸失利益となる利息収入を国が金融機関に補給する体制をセットにすることが必要不可欠になって来る。

 

日本の金融機関の貸付残高は、2月時点で544兆6850億円であり、平均貸付金利は約0.6%である。つまり、借入金の元利金返済免除に伴う金融機関の逸失利益は年間約3兆2000億円~3兆3000億円程度である。

仮に借入金の元利金返済免除期間を3ヵ月だとしたら金融機関の逸失利息収入は8000億円程度、半年に延長されたとしても1兆6000億円程度に過ぎない。