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日本が韓国の「新型コロナ対策」を参考にできない政治的事情

中国とは連携できても、韓国とは…?

日中関係と日韓関係の「大きな違い」

新型コロナウイルスによる集団感染問題で、安倍晋三首相が5日に発表した中韓両国からの入国規制について、中国と韓国が正反対の反応を示している。改めて当時の状況を検証すると、日中と日韓では信頼関係に雲泥の差があることがわかる。

安倍晋三首相が中国と韓国からの入国者に対し、14日間の自宅待機などを要請する方針を発表したのは3月5日午後7時ごろだった。これに対し、中国は「理解する」という反応を示したが、韓国が「事前協議も事前通報もなかった」と激烈に反発した。韓国は翌6日には、日本からの入国を制限する措置を発表するに至った。

中韓両国からの入国制限について、日本政府が神経を遣っていたのが習近平中国国家主席の訪日問題との関係だった。

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日中両政府は習主席の4月訪日を目指し、頻繁に接触していた。日本政府関係者によれば、中国側は「習主席の訪日を絶対に成功させなければならない」と繰り返し強調してきた。湖北省武漢から在留日本人を帰国させるチャーター機の派遣問題を始め、中国側が日本の措置について異議を唱えたことは一度もなかったという。日本も中国からの入国制限には慎重な動きを見せ、当初は全面的な入国制限という措置は取らなかった。

そして日本は、習近平主席の訪日について「日本側から延期を持ちかけることはしない」という方針を決めていた。

 

在京の外交筋は「日本から延期をもちかければ、日中関係の改善に消極的というレッテルを貼られる可能性がある。今後の日中外交で優位な立場を維持するためには、中国が延期を申し入れる格好にする必要があった」と分析する。このため、日本政府は事実上、新型コロナウイルス問題で中国全土からの入国規制をかけづらい状況に立たされてもいた。