止まらない新型コロナウイルスの感染拡大。発生源とされる中国では感染者は減少しつつあるものの、今度はヨーロッパで多くの感染者・死亡者を出し、医療崩壊、株価暴落など社会的・経済的混乱も引き起こしている。
日本では、小中学校・高校の休校が始まってまもなく1ヵ月。ウイルスの猛威に、若者は何を思うのか? 都内の学校に通う7人の高校生・大学生に話を聞いた。
(構成/淵上周平)
最悪な気分
原田:今日は新型コロナについて、高校生と大学生の皆さんの話を聞かせてもらいます。若者は感染しても比較的症状が軽いようですが、政府の専門家会議は10代〜30代の若年層に自粛を求めるメッセージを出していますね。いきなり学校が休みになったり、就活のスケジュールが変わったりと、生活に大きな影響が出ていると思います。まずは大学生から聞いてみましょう。
しおり(立教大学4年):私は3月で大学を卒業するんですが、卒業旅行も卒業式も無くなりました。
原田:卒業式がなくなったのはどんな気分?
しおり:最悪ですね。卒業式はそこまで大事な行事だとは思ってなかったんですけど、いざなくなってみると、寂しいです。最後のチャンスを逃してしまったんだなと。
でもそのかわり、袴を着た写真を撮ってくれるサービスが増えているんです。Twitterでも「無料で撮りますよ」と言ってくれる人がいたりして。気持ちを切り替えて別の形で思い出を作ろうかなと思っています。

れんたろう(上智大学1年):僕はバイトへの影響ですね。焼肉屋なんですが、キャンセルが増えてシフトがどんどん減らされてます。
原田:バイトが減ったら収入も下がるよね。それは大変だ。
たくや(早稲田大学3年):僕もバイトと就活がたいへんで。バイト先が結婚式場なんですが、3月の婚礼は半分くらいなくなりました。就活は、企業説明会が軒並み中止。2月の前半の説明会にはまだ行けたんですが、後半になるとだいたい中止で、一部がオンライン説明会に切り替わったりしています。
大学の学内就職説明会も3月から始まる予定だったんですが、それもなくなって、同級生もみんな「どうしよう」「やばいね」という雰囲気になってます。情報源がネットしかなくなってしまったし、企業側も選考の方法を見直しているので、「インターンに参加していた人たちが優遇されるんじゃないか」という噂も聞きました。