コロナ感染で「パニック」にならなかったシンガポールと日本の大違い

一番違うのは「日常生活の風景」
岡村 聡 プロフィール

超迅速な「トップダウン」

これを裏付けるように、シンガポール政府が率先して大手スーパーやeコマース業者に働き掛け、パニック発生から1-2日で上記の買い占めが起きた商品を補充し、混乱は最小限に抑えられました。

また、マスクについても首相自らトップダウンのメッセージとして感染予防効果は乏しく、症状が出ている人のみ着用すべきというメッセージを繰り返し発信していました。

シンガポールのリー・シェンロン首相〔photo〕gettyimaes

マスクがシンガポールで不足しているから上記のようなメッセージを発信しているのではないことを示すために、政府から各集合住宅には一定量のマスクが配布され、私がシンガポールで暮らしているコンドミニアムにも症状が出ている人のみ使用する原則で、数百枚のマスクが届けられました。

そのため、日本のように最もマスクを必要とする医療従事者に十分な量が行き渡らなくなることもなく、スムーズに医療サービスが継続できたとシンガポール政府は発表しています。

 

このようにトップダウンで効率的に新型コロナ対策がシンガポールで行われた理由として、経済効率を優先した特殊な形態の都市国家であることが寄与したことは間違いありません。

同時に2002年末から03年の夏にかけてアジアを中心に大流行したSARSの反省が活かされたことが大きく寄与したと見ています。