「下駄をならして奴がくる〜♩」かまやつひろし『我が良き友よ』秘話

Char×泉谷しげる×亀渕昭信
週刊現代 プロフィール

Char かまやつさんとユーミンは、ユーミンがGSの追っかけをしていた中学生の頃からの知り合いなんですよ。

当時から「この娘おもしろいんだ」と、いろいろなところに紹介していたし、ユーミンのデビュー曲『返事はいらない』('72年)はかまやつさんがプロデュースしている。

その後も二人の関係が続いて、名曲『中央フリーウェイ』('76年)が生まれた。この曲は、ドライブ好きのかまやつさんのために書いた曲なのだとユーミンが言っていました。

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泉谷 たしかに、誰かのために曲を書くときは相手のイメージが重要なんだ。『我が良き友よ』は、拓郎がかまやつさんのイメージから連想して作っているわけだ。

Char いま思ったんだけど、拓郎さんは、かまやつさんの中に「バンカラ精神」を見出したんじゃないかな。

バンカラとは、単に野蛮じゃなくて、芯の強さも意味するじゃないですか。かまやつさんは音楽好きで仲間を大切にするけど、大勢でつるまない。常に一匹狼。それは芯が強くないとできないことですよ。

亀渕 たしかに、時代とともに表現スタイルが変わるのも、どう変わっても、お洒落で格好いいと自分で確信があるからなんだよね。

自信がなければ昔の自分から抜け出せない。変化し続けるのは勇気がいることです。そういう精神を拓郎さんは嗅ぎ取って曲にした。

 

Char 当初、かまやつさんは『我が良き友よ』に違和感があったと言っていました。俺は下駄なんかはかないぞ、と(笑)。でも、だんだん好きになったようです。

泉谷 自分に通じるものがあると感じたのでしょう。『我が良き友よ』がヒットしている時、かまやつさんが主婦向けのワイドショーで歌っていたのを見たことがあった。そんなところに出る人じゃないと思っていたから驚いたけど、心の底から楽しそうだったなあ。

Char 俺も『気絶するほど悩ましい』('77年)が売れたとき、「ロックの魂を捨てたのか」と批判する奴がいた。でも、揺るがぬスピリットがあるなら問題ない。これは、かまやつさんを見て確信しました。