日本電産・永守会長、やっぱりあなたが社長をやるべきです

他の誰がやっても、うまくいきません
週刊現代 プロフィール

他人の2倍働く

京都の農家に生まれた永守氏の根底には「他人の2倍働けば成功する」という母の言葉がある。実際、学生時代は人の倍勉強し、成績は常にトップだった。大学時代のあだ名は「かまぼこ」。いつも机に張りついて勉強していたためだ。

職業訓練大学校を首席で卒業すると、機器メーカーに入社。学生時代から始めた株式投資を続ける一方で、入社3年目に当時の社長に「工場長にしてくれ」と直談判するほどの野心の持ち主だった。

'73年に日本電産を創業して以来の快進撃は前述の通りだが、「朝6時半には出社して、夜23時に退社。正月休みは一日もなし」であったことを公言している。

同じ関西のワンマン経営者では、京セラ創業者の稲盛和夫氏が有名だが、京セラには稲盛氏の哲学が文字通り「フィロソフィ」として文書化され、受け継がれている。永守氏が自分にも部下にもひたすらハードワークを課すのとは対照的だ。

Photo by GettyImages 稲盛和夫氏

プレゼンや講演の資料も、永守氏は自分で作るというが、細かいこともすべて自分でやらないと気が済まないのは、部下に任せられないのと同義だ。

「もっと働け」とはっぱをかける一方で、肝心な仕事は任されない。業績はいいかもしれないが、社員にとって「しんどい会社」であることは間違いない。

日本電産を退職した元幹部が明かす。

「日本電産がしのぎを削っているのは、少し気を抜けば一気にシェアを失ってしまうような過酷な市場です。そのなかでなぜ高い売り上げと利益を保てているかといえば、社員の力を120%引き出す永守流のテクニックがあるからです」

 

この元幹部は毎週末になると、ほぼ必ず永守氏からのメールを受け取っていたという。

「幹部に一斉メールで送ることもあれば、私一人だけに来るメールもある。全員宛てのメールで名指しで批判をされた直後に、個人宛てに『さっきはみんなの手前、ああいうメールを送ったけど、君ならできる』と送ってくる。これを繰り返すことで、部下に緊張感を与え、やる気を出させるわけです」