2700万DL!『逆転オセロニア』はなぜ5年目でV字回復したのか

“運営”がコンテンツ化する時代へ
香城 卓 プロフィール

「このゲームが面白かったころに戻る」

そこで私たちは大きな「賭け」に出ることにしました。

2019年8月の末、「運営方針説明会」を開催したのです。コアなプレイヤーを招いてのオフラインイベントの形をとり、YouTubeLiveで生配信しました。

YouTubeLiveでの配信の様子

まるで株主総会のように、同時に数万人が目にする会となりました。このような形でゲームの運営方針の説明会をおこなうのは、業界でも前代未聞の施策です。

そのなかで、コミュニティ内で定性的な不満になっていた問題に対して定量的なデータを開示して説明しました。

つまり、現段階のオセロニアがゲームとして機能不全状態に陥っている、という事実を正直にプレイヤーに伝えたのです。

開示したのは、運営する立場からすると隠しておきたいデータでした。しかし、包み隠さず現状の課題をプレイヤーと共有したのです。

説明会で開示されたデータ

そして、説明会の場で、以下の「約束」をかわしました。

・「このゲームが面白かったころ」に戻る。

・2020年1月1日から新たな運営方針を実施し、そこで問題を改善する。

・それまでの4ヵ月間はいろいろなテストをおこない、プレイヤーのフィードバックをもらいながら調整する。

・テストの結果として出てきたデータも、定期的に開示していく。

果たして受け入れてもらえるだろうか。準備の間は不安もあった説明会ですが、オフラインイベントの参加者の感触や、配信時に流れてくるコメント欄の内容は非常に好意的なものでした。

私たちの向かっていこうとする方針が支持された。そう思える反応だったのです。

「よし! ここから2020年1月まで、4ヵ月間やりきるだけだ。がんばるぞ!」

こう意気込んで説明会を終えたのも束の間、なんとこの翌日、オセロニアはリリース以来の最大の「炎上」を迎えてしまったのでした。

過去最大の炎上、そして「どん底」へ

炎上の原因となったのは、説明会の翌日に公開された新キャラクターのプロモーション動画でした。

その動画で紹介された新キャラクターの性能が、「対戦環境を乱している原因の一端となっているキャラクターをさらに強化できるぞ!」と曲解されるようなものだったのです。

キャラクターの性能が強すぎるが故に、実力もセンスも関係なく勝敗が決まってしまう環境になっているのが問題だ。これを改善する──。そのように説明会で大々的に発表したのに、そういったキャラクターの性能をさらに強めると誤解されるような動画をその翌日に流してしまったわけです。

「話がちげーだろ! クソ運営」

「期待してたのに、マジ裏切られた」

SNSはリリース以来の、まさに過去最大の大荒れ。前日の説明会が大盛りあがりだったが故に、その反動は大きなものでした。ずっと応援してくれた人たちからも「引退」宣言が続出する事態となりました。