2700万DL!『逆転オセロニア』はなぜ5年目でV字回復したのか

“運営”がコンテンツ化する時代へ
2016年2月にリリースされたスマートフォン向け人気ソーシャルゲーム『逆転オセロニア』。「ドラマチック逆転バトル」というキャッチコピーをテレビCMで観た人も多いのではないでしょうか。

栄枯盛衰の激しいソーシャルゲーム業界ですが、運営5年目を迎えた2020年に入って、アクティブユーザー(ログインして実際にプレイしているユーザー数)が急増しています。

本来、ソーシャルゲームは運営年数が経過していくと、マーケティング効果が落ちてきたり、競合アプリが続々登場したりすることで、アクティブユーザー数は減っていきます。

この「定説」はなぜ覆されたのか、プロデューサーが自らその秘密を語ってくれました。
『逆転オセロニア】プロデューサー、香城卓(けいじぇい)

「オセロニア、終わったね」

『逆転オセロニア(以下、オセロニア)』は2016年2月のリリース以来、コミュニティ運営に力を入れてオフラインイベントなどを全国各地で開催し、それを地道に積み上げることでユーザー数を拡大したタイトルです。

『逆転オセロニア』の紹介(DeNAの資料より)

オセロニアのプレイヤーは自らを「オセロニアン」と名乗り、公式大会などを通じて有名選手が生まれるだけでなく、自主的に数百人規模のオンライン大会を開催したり、二次創作を楽しむアーティストたちで個展を開いたりするなど、独自のカルチャーを拡げています。

そのオセロニアンコミュニティと共創する独自の事業スタイルが、米・ハーバードビジネススクールで事業経営ケースとして取り上げられるなど、稀有なキャリアを歩んでいる長期運営タイトルの一つです。

オセロニアのプレイヤーイベント

そんなオセロニアに暗雲が立ち込めはじめたのは、運営3年目にあたる2018年中ごろのこと。ソーシャルゲームでは決して珍しくない事例でした――。

飛び抜けた性能をもったキャラクターの登場がきっかけでした。それによって、対戦環境が大きく乱れ、対戦ゲームの面白さの「肝」である、「プレイヤーの実力が介入する余地」が消えていきました。

そうなると、勝利をつかむために重要なのはプレイヤーのセンスや経験ではなくなってしまいます。「特定のキャラクターを持っているかどうか」が、一番のファクターとなってしまったのです。

単純なキャラクターの性能調整をすることができず、この問題は長らく運営の頭を悩ませることとなりました。

対抗策となるキャラクターを投入してみたり、「強すぎるキャラクター」の影響力を抑えようとしてみたり、あの手この手で対策を試みてきましたが、根本的な解決には至りません。

こうして、コアなファンやコミュニティ内の有名アカウントの信頼を損ない、オセロニアからの「引退」を引き起こす要因となっていました。

オセロニアには運営初期からコミュニティが形成されており、そのなかで濃密なコミュニケーションが生まれたことが、プレイヤーを引きつけていました。

だからこそコミュニティの影響度は大きく、誰かが「引退」ツイートをするたびに、それに引きずられて全体のアクティブユーザーが減っていきました。まさに負の連鎖です。

真綿で首を締めるように、ユーザー数はじわじわと減っていきます。なんとかしなければ。危機感だけが募っていきました。