コロナ騒動で露呈…日本とフランス「教育力」の決定的な差

休みではなく、勉強法の進化のチャンス
安發 明子 プロフィール

これまでのオンラインツールの活用方法

特に中学校以上ではオンラインでの課題提出ややりとりが以前より活用されており、フランス国立遠隔教育センター(CNED)のプログラムは幼稚学校から高校までカバーしており150万のコネクションを同時に受けることができる。

教育省が運用しているデジタル学習スペース(ENT)というプログラムは高校の80〜90%で利用されており、授業も教材もENT上でシェアされ、生徒はオンラインで課題を提出、メンバーはお互いサイト上でやりとりできる。

ただ、授業全部ビデオにアップする先生もいる一方で、課題と出席日数、成績に限定した利用の学校もある。

パリ市立高校の校長先生へのインタビューによると、この機会にこれまで以上に教師は生徒と保護者と毎日やりとりすることになるので、教育で求められていることを知り、応えられる方法を見つけるチャンスにしたいとしている。

筆者はパリの大学院(国立社会科学高等研究院)に2015〜2018年に在学していたとき、そのシステムを利用している。オンラインシステム上に課題を出することのメリットは大きかった。なぜなら、クラスのメンバーの課題を見ることができるので、それぞれの良い点を学び、自分に足りないものを知ることができる。

 

外国人として、初めてフランスで教育を受けた筆者にとっては特に、文章の運び方、表現の仕方、論点など、同級生それぞれから学ぶことができたのは有益だった。協力し合うことについては特に効果的である。

例えば課題本が5冊出たときに、メンバーで本と章を分担し合い、それぞれ要約を載せるので、多くの本をしっかり理解することができ、協力し合ってより良い要約文を作ることができる。調査するときも分担して広く情報収集し、修正し合える。課題提出の際も、一度オンラインに載せたものをお互い3人のレポートについてコメントし合い、それを反映し書き直したものを最終提出するなど内容を高めることができる。クラスに落ちこぼれを出しにくく、メンバーお互いの良いところを出し合い協力し合うことができる。さらに、お互いに他の生徒の関心に近い記事や本を紹介し合うことなどが頻繁におこなわれていた。

筆者は1年目の終わりに3ヵ月間、出産前の絶対安静を医師に命じられたのだが、その期間も継続してスカイプで授業を受け、オンラインで発表をおこない、調査も電話インタビューでおこない年度を修了させてもらえた。