みずほ佐藤会長が断言「銀行界は根こそぎ『変わる時代』に突入する」

これは日本の死活問題になる
小野 一起 プロフィール

スマホペイとビッグデータの時代

小野 確かに、AIは、データによって、その能力を高めます。データを握るものこそが、これからの世界をリードしていくと考えられます。

佐藤 いまや誰もがスマートフォンを使っているわけですよ。金融で言えばアプリの機能を使って支払いを、スマホでやっている人も多い。その購買データは全部インターネット上のクラウド(cloud)に引き上げられて、集積されている。電車に乗っている時、大半の人がスマホを使っています。それで、ゲームをしたり、SNSを見たり、しています。そのデータも全部クラウドに引き上げられています。

〔photo〕iStock

小野 確かに、そうですね。購買データや、SNS上の「いいね」など様々なデータが、知らないうちに、クラウド上に蓄積されています。

佐藤 僕も、中国語を少し勉強しようと思っていたら、ある日Googleから、一番いい中国語の辞書を勧めらました。

小野 確かに、そういうことってありますよね。個人の趣向にターゲットを合わせた広告は合理的なのは分かりますが、いざ自分に向けられると、軽い恐怖を感じます。

佐藤 こうした機能を考えると、自分の個性や趣味、嗜好とは何かについてあらためて考えさせられます。例えばスタイリッシュなジーンズが欲しいと思う。それが一時の気まぐれだったとしてもネットで検索した結果、個人に向けてターゲットされた広告によって購買意欲が喚起される。そのうち自分の趣味嗜好の選択肢が狭められ、誘導されて、気づいたらあるブランドのジーンズを買っていた……。こんな現実が、どんどん広がっていますね。

小野 AIに欲望が誘導され、コントロールされている感じですね。

 

佐藤 それから若い人と議論していると、非常に怖いのは、スマホで調べたことを、まるで自分の知識のように話すことです。スマホで検索すれば様々なことが簡単にわかってしまう。それを知識や教養だと言っているのが最大の問題です。逆にスマホを通して、個別の情報が入りすぎているがために、それを総括して、自分の考えにまとめる力が極端に落ちていると思います。