# 新型コロナ

米大統領の「コロナは7月か8月か…」発言、その本当の意味をご存じか

ひとまず薬剤はできるだろう。しかし…
真野 俊樹 プロフィール

スピードが速い中国の薬剤開発

ほかにも、最初に感染が起きた中国で、非常に多くの治験が進行中である。

かつ、すでに最終的に多数の患者さんでその有効性・安全性・使い方を確認する第Ⅲ相臨床試験(Phase Ⅲ)に進んでいる薬が少なからずあり、このあたりの中国のスピード感は、治験においての個人情報保護などへの配慮が少ないという批判はあろうが、非常に驚かされる。

その意味で筆者は、決して悲観的ではない。

ただし、ここで薬に関してもう1つ重要なことを理解する必要がある。その薬剤が対症療法なのか、根本的治療法の薬剤なのか、ということである。

photo by iStock

根本的治療法とは、たとえばC型肝炎の薬剤のように、病気を起こしているウイルスを完全に撲滅し、病気そのものを治してしまうことである。

対症療法とは、たとえば抗インフルエンザ薬「タミフル」のように、少し早く解熱し、職場に復帰を早めるといった効果が期待できるもののことである。

2019年に私が調査に赴いたドイツなどは、対症療法に対して感度が低い

 

「週刊社会保障」という雑誌に簡単な報告をしたが、転載する。

発熱時に医師を受診するタイミング、疾病に関しての考え方に差が見られるようであった。日本人16人、ドイツ人10人という少数の検討なのではっきりしたことは言えないが、多少の差が見られたと思われる。

具体的にいえば、ドイツ人は日本人に比べて発熱に対しては対処は遅い。病院を受診する発熱温度が日本人は38.4℃、ドイツ人は39.6℃で、また、発熱の継続時の対処も異なる。日本人は2日の発熱継続で30%以上の人は病院を受診する。

一方、ドイツ人は2日の発熱継続では病院に行かない。しかも50%以上の人は市販薬も使用しない。また、ドイツ人は腹痛・下痢などの症状においては、初日2日目は半数は様子見で、半数が市販薬で対応し、下痢が3日続くと半数が病院に行く。

日本人は初日2日目で10%強が病院にいき、様子見は初日30%、2日目が20%(残りは市販薬対応)と少ない。受診行動に差が見られたといえよう。

要するに、合理的な考えを重視する国では対処療法に対する理解が低いのだ(あまり必要性を認めないということ)。