習近平が恐怖する「未曾有の国難」…サバクトビバッタが襲ってくる

「禍不単行(災いは重なる)」
北村 豊 プロフィール

国難その4・サバクトビバッタの来襲

2020年2月11日、国際連合食糧農業機関(FAO)は全世界に向けてサバクトビバッタの大量発生によってもたらされる災害に関する警報を発した。この警報を受けて、中国政府「国家林業・草原局」はサバクトビバッタ(中国語「砂漠蝗」)災害の予防・抑制に関する緊急通知を発令した。

(1)最近、サバクトビバッタ災害は東アフリカからインドやパキスタンまで蔓延しており、我が国はサバクトビバッタの侵入リスクに直面している。サバクトビバッタの我が国への侵入リスクに有効的に対処するために、サバクトビバッタおよびソウゲンバッタ(中国語「草原蝗」)の災害を予防・抑制する作業を着実に行わなければならない。

(2)バッタ(中国語「蝗虫」)は我が国の草原地帯に広範に分布しており、我が国で毎年発生するソウゲンバッタによる災害面積は平均1.5億ムー(=約10万平方キロメートル)であり、最高の年は3億ムー(=約20万平方キロメートル)であった。

(3)今回のアフリカを起源とするサバクトビバッタの災害は、その発生範囲が広く、危害や損失が甚大で、発展の速度が速いという特徴を持ち、1日で150キロメートルの距離を移動することができるという。サバクトビバッタによる災害は国際社会や多くのメディアによって注視されており、中国共産党中央委員会と中国政府国務院は国家の重大事としてサバクトビバッタの動向を重視している。

(4)FAOによれば、アフリカから始まったサバクトビバッタによる災害は初期段階で抑制できなかったことによって、2020年6月頃までにサバクトビバッタの集団を制御できない可能性があるが、そうなるとサバクトビバッタの個体数は現在の500倍まで膨れ上がる可能性があると予想されている。

(5)気候条件にもよるが、今回発生したサバクトビバッタの集団は、パキスタンとインドからチベットへ直接侵入するルート、ビルマ経由で雲南省へ侵入するルート、カザフスタン経由で新疆ウイグル自治区へ侵入するルートという3ルートの可能性がある。従い、雲南省、チベット自治区、新疆ウイグル自治区などのインド、パキスタン、ビルマと隣接する地域は監視を強化し、重要な変化があれば、速やかに国家林業・草原局草原管理司や森林・草原病害虫予防ステーションに報告することが必要である。

昆虫専門家によれば、世界中にトビバッタは7つの亜種があり、中国でよく見るのは東アジアトビバッタ、アジアトビバッタ、チベットトビバッタの3種だが、現在インドとパキスタンを襲って災害を及ぼしているのはアフリカ起源のサバクトビバッタあるいは地中海トビバッタである。

歴史的に見るとサバクトビバッタが雲南省に危害を与えた記録はあるが、甚大な災害を与えたものではなかったという。

1平方キロメートルを覆い尽くすサバクトビバッタは1日で3万5000人の穀物を食べ尽くすと言われており、サバクトビバッタが中国に侵入したら中国の穀物生産量に大きな影響を与え、穀物不足による穀物価格の上昇や穀物輸入量の増大が中国国内に深刻なインフレを引き起こす可能性も高い。

現在4000億匹のサバクトビバッタによる襲撃を受けているインドのラジャスタン州では大量の農作物がサバクトビバッタにより食い尽くされており、その被害は近隣地域へと領域を拡大している。インド学者の予測によれば、サバクトビバッタの災害によりインドの食糧生産は30~50%の減産を余儀なくされるという。

今後、サバクトビバッタが中国へ侵入するかどうかは分からない。しかし、中国政府は2月23日から3月5日までパキスタンへ予防作業チームを派遣してサバクトビバッタの動向を調査した程だから、サバクトビバッタの来襲に恐怖を覚えていることは間違いない。

 

さて、上記で中国が直面する4つの国難の概要を述べたが、それは将に文頭に述べた「禍不単行(災いは重なって来る)」という成語の正しさを証明しているかのように思える。

したたかな中国という国家はこれら4つの国難を克服するものと思うが、それを適切に解決するには国家指導部の卓越した能力が必要とされるはずであるから、我々外国人は彼らのお手並み拝見と行こう。