コロナで世界経済激変…アベノミクスが振り出しに戻る「厳しい現実」

専制支配、老人支配、そして諸々延期…
河東 哲夫 プロフィール

ゲーム・チェンジャーとしての石油価格

コロナ・ヴィールスによる世界経済の低下は、原油価格の低迷を誘い、それは原油生産国の間の不和を誘って、現在はサウジ・アラビアとロシアが増産を競い、値下げ競争の中で市場でのシェアを確保するとともに、米国のシェール・オイルの駆逐をはかろうとしている。

シェール・オイルの生産原価は最低でも1バレル30ドル以上であり、現在既に多くの油田で採算を割っている。サウジでの原価は6~10ドル、ロシアでの原価は20ドル以下である。ただし両国とも、原油価格が下がりすぎると、現在の予算歳出レベルを維持できなくなる。

シェール・オイルの生産が減少すると、米国は原油の大量輸入を再開するだろう。サウジ・アラビアはその点で再び重要性を取り戻し、米国に反イラン政策を迫るだろう。

 

なおシェール・オイルが失墜する反面、ドルは中東原油輸入の対価として大量に海外に流出し、ドルによる世界支配を長引かせることになるだろう。

人は、すぐドルによる世界支配を非難するが、ドルは国際基軸通貨でなければ、どんどん減価して購買力を失い、米国市場は縮小してしまう。ドル支配があるからこそ、日本も中国もドイツも、米国に多額の輸出ができるのだ。