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コロナで世界経済激変…アベノミクスが振り出しに戻る「厳しい現実」

専制支配、老人支配、そして諸々延期…

コロナ・ヴィールス、株式の乱高下、原油・その他商品市況の下落、そして米大統領選、いろいろのできごとが重なって、今の世界は五里霧中。

その中で、世界の経済には何か根本的なパラダイム変化が起きている。その正体がはっきり認識されていないために、過度にパニクったり、逆に高をくくったりすることになっている。そこで、今、同時並行的に起きているいくつかの大変化を抽出し、その性質を考えてみた。

パンデミックも金融バブル崩壊もコントロール下に

9日のフィナンシャル・タイムズにコラムニストのラナ・フォルーハーが書いていた(11日付「日本経済新聞」が翻訳掲載)。

米国は消費がGDPの70%を占める消費主導の経済だが、1970年代から実質賃金の上昇は止まっているので、金融資産(特に株)の値上がり分が、米国の消費増、そして経済成長を支えるようになった、と。

つまり、米国での賃金が上がり過ぎたことで、工業が日本、ドイツ等との競争に負け空洞化、賃金水準の上昇は止まったのである。

米国経済は、金融業にその成長の多くを依存するようになったし、庶民までが年金貯金を株で運用するようになったために、株価と消費、そして成長率は強い連動性を示すようになった。

だから米国では、金融資産を膨らませるための手段が異常に発達していく。相次ぐ規制緩和で、ハイリスク・ハイリターンの金融商品が大量に出回り、それはバブルを形成してはほぼ10年ごとに崩落して騒ぎを起こすようになった。

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近年、最大のものは2008年のリーマン危機である。この時はジャンク債の値崩れが、これを保有していた金融機関相互の資産状態への猜疑心を招き、金融取引が目詰まりを起こしたことが、経済活動全般の危機を招いた。

だが、今回はまだそこまで行く気配はない。最も重要な国債市場はまだ持ちこたえている。

 

リーマン危機の時、銀行だけでなく、その他金融機関にも政府は介入し、自動車会社までも公的資金を注入して救済する前例ができたので、政府が蛮勇を振るって迅速な介入をしていけば、事態をなんとか切り抜けられるかもしれない。