2020.03.20
# 企業・経営 # キャリア

「今さら専門外のことはしたくない」と言うミドル会社員の暗い未来

「早期退職」も難しくなっちゃいます…
前川 孝雄 プロフィール

かといって、そこで腐って早期退職しようものなら、さらなる苦難が待っている。なぜなら、その人が特定の業務だけに従事してこられたのは、在籍している会社にそれだけをやっていればいい分業体制があったからこそ。

特に大企業のミドル世代サラリーマンが転職すれば、往々にして今より規模の小さな企業で働くことになる。そして多くの場合は、それまで担当していた業務以外の仕事にも携わることになる。小さな出版社に行けば編集も営業も担当することがあり得るし、中小メーカーに転職すれば人事も企画も経理も一つの総務部署で担うことは珍しくない。業務範囲が一気に広がるのが一般的である。

あるいは、まったく経験のない仕事を任されることもあるだろう。当然、大企業では整っていた業務マニュアルや研修も十分にはない。当然ながら、変化への対応力が衰えている人は、そこで大きく戸惑うことになる。

ちなみに、独立・起業となればなおさらだ。技術一筋、企画一筋でやってきた人であっても、今まですべて会社がやってくれていた、経理や営業といった未経験の仕事にも自分が関わっていかなければ仕事にならない。

 

ベテラン社員の異動を義務化する企業も

すでに65歳までの雇用が義務化され、さらには70歳までへの延長を政府が画策するなか、企業側もミドルの硬直・停滞には問題意識を持ち始めている。

私が取材したある企業では、ベテラン社員や管理職に関しても、営業から経理といった部門の垣根を越えた定期的な異動を義務づけた。慣れ親しんだ領域の仕事に安住することが一人ひとりの変化への対応力を奪い、それが積み重なれば組織としての成長力が損なわれていくと考えたからだ。

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