破産する寺も続出…「大型納骨堂」がさっぱり売れなくなった理由

次々とトラブルも明るみに
吉川 美津子 プロフィール

値上げに踏み切った納骨堂も

納骨堂は建物である以上、老朽化は避けられない。さらに機械の定期的なメンテンナンスや入れ替え等も考えると、30~50年程度の大規模リニューアルを想定したシュミレーションを立てて計画をしなければならない。

機械式の立体駐車場でも、取替方法によるが50台収容規模で数千万から1億円かかるといわれている中で、億単位の修繕・リニューアルを想定している納骨堂はどれほどあるだろうか。

実際、横浜の某納骨堂では、2018年度分より管理費に相当する護持会費の値上げに踏み切った。

販売会社撤退後、数年前から、会報誌などで維持管理が大変な様子が感じ取られた。契約時に『管理費は変動することもある』と聞いていたので、年間5000円の値上げはいたしかないな、と納得しています。この寺院は情報をオープンにしていたので良心的な方だと思いますが、それでも中には不満を持っている人もいるかもしれません。

と、利用者のAさんは語る。

誤解のないようにつけ加えておくが、納骨堂の建設が悪いわけではない。北海道や福岡などは、ブーム以前から納骨堂が普及し、文化として定着している。財務状況等、宗教法人の身の丈にあった納骨堂の建設であれば発生しなかった問題が、宗教法人の本来の活動の範囲を超えた規模の納骨堂経営になってしまったがために、こうしたトラブルが生じてしまうのだ。

 

葬送方法が多様化する中で、「天候に左右されない」「立地・アクセスの良い場所が多い」「価格が手ごろ」「セキュリティ完備」「お手入れが楽」など、納骨堂のメリットは非常に多いことは変わらない。

納骨堂は単なる箱物ではなく、そこは多くの人が手を合わせる空間である。単なる一過性のブームではなく、弔いの文化として脈々と次世代へ引き継ぐことができる空間であって欲しいと筆者は願わずにはいられない。