破産する寺も続出…「大型納骨堂」がさっぱり売れなくなった理由

次々とトラブルも明るみに
吉川 美津子 プロフィール

非課税となるはずが…

近年の納骨堂開発には、寺院を震撼させる出来事がいくつも表出している。

2010年、福井県あわら市の寺院が、納骨堂の経営不振から破綻した。寺院は5000基の厨子(納骨箱)を設置したが、契約者数はわずか60人程度だったという。現在は別の宗教法人が事業主体となり販売されているが、契約者数が伸びているという情報はつかめない。

それから2年後、2012年にも仙台市の寺院が大型納骨堂にからむ負債24億円を抱えて破産していた。こちらも現在は別の宗教法人が運営に携わっている。

また、2016年には、自動搬送式納骨堂を持つ東京都港区の寺院が、東京都から「宗教法人の本質的な活動のためにもっぱら使用される建物および境内地にはあたらない」として固定資産税などの支払いを求められた。

寺院側は、宗派を問わず広く使用者を募集していることに対し「教義を広くひろめてあまねく人に仏の慈悲をもたらす機会になる」と取消を求めたが、東京地裁は都の主張を支持。1階寺務所や5階の本堂を除いた部分とそれに応じた割合の土地に対して、固定資産税と都市計画税(2014年度分)が課税されることとなった。

 

2017年には、大阪市の納骨堂の運営会社社長が架空経費を計上するなどして法人税など約2億1000万円を脱税したとして逮捕されている。

さらに、2014年より運営を開始している東京都港区の別の寺院の納骨堂に対しては、複数の抵当権と68億円の巨額融資があったことが明るみになった。その後、副住職ら数名が行方不明になり、現在は宗教法人名を変え、納骨堂の名称も変えて寺院の立て直しをはかっている。