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破産する寺も続出…「大型納骨堂」がさっぱり売れなくなった理由

次々とトラブルも明るみに

「ブームは終わった」という声

バブル崩壊、お墓に対する考え方の変化、ライフスタイルの変化等により、都市部では比較的求めやすい価格帯で利便性の高い「納骨堂」に注目が集まるようになった。納骨堂といえば、少し前までは、一般的なお墓(墓石のお墓)に納骨するまでの一時保管場所としての位置づけだあったが、現在は子々孫々継いでいく「家墓」として購入する層が多い。

「都市部で墓石のお墓を買うお金は用意できないけれど、納骨堂なら買える」「年に数回程度のお墓参りより、気軽に行けるお墓の方が良い」といった声を受けて、納骨堂は急速に広まった。

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しかし、最近その雲行きが怪しくなっている。

つい数年前までは「ハイテク」「最新式」とうたわれた自動搬送式納骨堂も、東京23区内だけでも25ヵ所になり、都市部ではもはや新しさはなく、一部を除いて「立地」と「使用料」でしか差別化ができなくなっている。

業界関係者の中では、「自動搬送式納骨堂のブームは終わった」という声も聞かれるほどだ。

1999年に日本第一号の自動搬送式納骨堂を手がけたパイオニア的存在であるニチリョクも、景気の良い話はおあずけ状態。堂内陵墓事業(自動搬送式納骨堂事業)が売上の約10%を占めるが、納骨堂の乱立により購買層が分散化、結果的に競争が激化した。今期は広告戦略等の見直しにより若干持ち直したが、ここ数年下降ラインを描いていたため楽観視はできない。

 

また、現在自動搬送式納骨堂の開発・販売を最も多くてがけるはせがわでは、2020年
3月期通期連結業績予想を下方修正し、当期営業利益は8億6000万円の赤字に陥る見通しであることを明らかにしている。

墓地不足と言われて久しいが、少なくとも都市部の納骨堂は飽和状態で、「売れない」と嘆く販売業者が多いのが現状だ。