人間の「献体」と「解剖」…その知られざる手順をご存知ですか

こうして「命」はつながっていく
小泉 カツミ プロフィール

祖父、祖母、両親も献体

工芸家の吉村美香さん(仮名・62歳)と夫の浩さん(仮名・64歳)は、6年前に日本医科大学白菊会の会員となった。これは、自分が死亡した場合、献体として自分の体を寄贈するための会員登録である。美香さんが言う。

「我が家はかなり特殊なんですが、そもそも母方の祖父が日医大の生理学の教授だったこともあって、日医大に献体しました。祖母は膵臓癌で亡くなって病理解剖されました。大学教授だった私の父は、7年前に亡くなって献体、設計士だった母も3年前に膵臓癌で亡くなって献体しています」

そして美香さんと浩さんは、美香さんの母が亡くなった直後に献体の会員登録をした。

「私も何の迷いもなく母が亡くなった直後に会員登録をしたんです。夫も日医大の先生にお世話になったことがあったので、自然に申し込んだんです」

驚くのは、美香さんの両親だけでなく、夫の浩さんのご両親も献体していることだ。

「夫の両親もうちの両親が登録していることを知って、『それはいいことだ』と喜んで登録したんですね。二人とも既に亡くなっています」

 

決意の署名

美香さんの手元には、会員番号が記入された会員証とカード型の会員証、そして「同意書・承諾書」があった。

同意書・承諾書にはこう書かれている。「この度、『吉村美香』が貴会に入会し、医学教育及び医学研究のための正常解剖用として遺体を日本医科大学に寄贈することに、私共は心から同意し、かつその意志を実行することを確約いたします。また、献体登録を行うに際して、私共はご遺骨の引き取り者となることをここに承諾いたします」――。そして、その下の欄には夫と長男と長女の氏名と捺印、住所が記されていた。

日本医科大学白菊会会員証 ※プライバシー保護のため、画像を加工してあります
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