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コロナの盲点、マンション住民が「集団感染」を逃れるための正しい作法

マンション「共用部分」はリスクが満載
日下部 理絵 プロフィール

管理会社を「頼る」のは危険だ

では万が一、マンションの住民で感染者が発覚した場合、どうなるのでしょうか。日本の分譲マンションの約9割が管理会社と管理委託契約をしていますが、管理会社は何か対応を取ってくれるのでしょうか。

じつはここにも落とし穴があるので注意が必要です。

〔photo〕gettyimages

今回の新型コロナウイルスの対策や蔓延対応が緊急時の業務だとして、国土交通省が公表する「マンション標準管理委託契約書」(管理組合と管理会社の契約の雛形といわれる)をみると、次のように記載されています(抜粋し一部改編)。

(緊急時の業務)
管理会社は、次の各号に掲げる災害又は事故等の事由により、管理組合のために、緊急に行う必要がある業務で、管理組合の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、管理組合の承認を受けないで実施することができる。この場合において、管理会社は、速やかに、書面をもって、その業務の内容及びその実施に要した費用の額を管理組合に通知しなければならない。
一 地震、台風、突風、集中豪雨、落雷、雪、噴火、ひょう、あられ等
二 火災、破裂、爆発、物の飛来若しくは落下又は衝突、犯罪等
2 管理組合は、管理会社が前項の業務を遂行する上でやむを得ず支出した費用については、速やかに、管理会社に支払わなければならない。ただし、管理会社の責めによる事故等の場合はこの限りでない。
(免責事項)
管理会社は、管理組合又は管理組合の組合員等が、災害又は事故等(管理会社の責めによらない場合に限る)による損害及び次の各号に掲げる損害を受けたときは、その損害を賠償する責任を負わないものとする。
一 管理会社が善良なる管理者の注意をもって管理事務を行ったにもかかわらず生じた管 理対象部分の異常又は故障による損害
二 管理会社が、書面をもって注意喚起したにもかかわらず、管理組合が承認しなかった事項に起因する損害
三 前各号に定めるもののほか、管理会社の責めに帰することができない事由による損害

これを読む限りでは、万が一蔓延した場合、管理会社は免責事項となり、損害などは一切負わないという姿勢を取る可能性もあります。

 

それどころか、通常の業務履行が不可能になったり、新型コロナウイルスの対策や蔓延対応は管理会社にとって緊急時の業務にあたるのかどうか、つまり対応する必要があるのかどうか、と知らん顔される可能性も否定できません。

つまり、管理会社は情報提供や相談相手として考え、過度な期待はせずに個々のマンション住民および管理組合がしっかりすべき、と心しておくしかないのです。