反省しても暴力は否認…野田虐待死事件の勇一郎被告に更生回復は難しい 

人の痛みに共鳴できない理由

千葉県野田市で当時小学校4年生だった栗原心愛(みあ)ちゃんが自宅の浴室で亡くなった痛ましい事件から1年2カ月がすぎた。3月19日には父親の勇一郎被告の判決が下される。

作家でエンパワメント・センターを主宰する森田ゆりさんは、40年もの間虐待の被害者、加害者の回復・更生活動に力を入れてきた。その森田さんからみて、勇一郎被告は「更生」することが可能なのか。森田さんが緊急寄稿する。

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罪は認めても暴力を認めない矛盾

3月9日に野田虐待死事件の加害者勇一郎被告の公判が終わり、3月19日に判決が出る。第一回目の初公判では、被告は法廷に現れるや、人々に丁寧に深々と礼を何度もする時間をとった。冒頭で、娘の名を呼んで「みーちゃん。本当にごめんなさい。心から反省しています」とそう口を開いたすぐ後に「暴力はしていません」と矛盾する陳述をして傍聴者は違和感を覚えた。その後の公判でも「罪は認める」と言いながら自分のした暴行の大半は繰り返し否認する答弁が続いた。特に結審では、傷害致死罪につながる残酷な暴行の数々に関しては「天地神明に誓ってしていない」とほとんどを否認して公判は終わった。

 

翌日、複数のマスコミの記者から、勇一郎被告という人間をどう理解すれば良いのか、彼の更生回復のためにはどんなプログラムが良いのかについての質問やコメントを求められた。