如来や阿弥陀も登場 神をも恐れぬ漫画「シャーマンキング」のスゴさ

【短期集中連載】伝説の第1話を公開
井上 華織 プロフィール

らき☆すた、Fateよりも先に

シャーマンキングは、キャラクターを使った地域振興の先駆けでもある。

「恐山アンナが恐山のある青森県むつ市・むつ警察署のマスコットキャラクターに採用されたのは’04年です。その効果もあって警察署のサイトのアクセス数は異例な数字だったと聞いています。

キャラクターを使った地域振興が盛り上がるのは、アニメで『らき☆すた』が放映された’07年以降ですから、相当早かったのではないでしょうか。

ちなみに私はむつ市出身ですが、“シャーマンキングのキャラが警察署のサイトに使われている”と地元の友人から聞いて、半信半疑でアクセスしたら本当に載っていたときはぶったまげました」(飯田氏)

青森県警察のWebサイトより。むつ警察署のホームページキャラクターとして「アンナちゃん」が紹介されている

そんなレジェンド漫画の生みの親、作者・武井宏之氏の“スゴさ”はどこにあるのか。

「世界各国の呪術に関係する勢力が集まり、戦ってトップを決める、という(色々な)神をも恐れぬ設定を少年誌でやった時点がまずスゴく、ヒットさせたことがさらにスゴい。

『Fate』が教養・常識になっている今では、キョンシーだの何だのを使役して戦うなんて珍しくないと思うでしょうが、この作品は’98年スタートです。しかもメキシコから来たシャーマンの名前は『ペヨーテ』です。幻覚サボテンから名前を取った少年誌のキャラなんていますか?

仏教勢力・ガンダーラのチーム『如来』が『阿弥陀丸』を持霊とする葉と共闘するという設定も、仏教に多少知識があれば胸熱すぎる展開で、“よくこんなのやったな”と思います。

 

作中、ガンダーラの面々は釈迦と10人の弟子を表していると言われていますから、釈迦如来が阿弥陀如来と共闘したようなものですよね(阿弥陀丸が阿弥陀如来であるとは作中にはおそらく描かれていないとは思うものの)。しかも釈迦側が阿弥陀を修行させる。おもしろすぎるでしょう。

『それの何がおもしろいのか分からない』という方でももちろん大丈夫です。前述のとおり、元ネタをまったく知らなくても楽しめるように描かれています。ただ元ネタを知ってから読むと、武井先生のアレンジメントの妙に驚愕します」(飯田氏)