千葉の「地味な地層」から地質年代「チバニアン」が誕生したワケ

世界が注目!地磁気逆転の謎は解けるか
菅沼 悠介 プロフィール

地磁気の存在について、人類が最初に認識したのは方位磁石が発見されたときでしょう。方位磁石は常に(おおよそ)北を指すために便利なナビゲーションツールとして大航海時代幕開けのきっかけともなりました。

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しかし、なぜ地球には地磁気が存在するのかについての理解が進むまでには、長い時間が必要となりました。この地磁気研究の歴史上には、ガウスやファラデーなど近代科学史を飾る著名な研究者も次々に登場します。

地磁気研究には、日本人も大きな貢献をしています。京都帝国大学教授だった松山基範は、今から90年以上も前に、「かつて地磁気が繰り返し逆転した」可能性を指摘します。ですが、この先を行きすぎた発見は、当時の科学界において、まさに天地が反転するような突飛な仮説として、なかなか受け入れられることはありませんでした。

ところが1950〜1960年代になると、かつてウェゲナーが提唱した大陸移動説が、「海洋底拡大説」、さらに「プレートテクトニクス」というまったく新しい形の地球像として突如よみがえります。そして、この復活劇の中で「地磁気逆転」は、時とともに海洋底が拡大することを立証するもっとも重要な証拠として注目を集めることになったのです。

近年には、コンピュータの進化にあわせて地磁気の起源に関する研究も一気に進展しました。スーパーコンピュータの中で地磁気の発生を再現できるようになったのです。

 

こうして、地磁気の正体に迫ろうと多くの研究者たちが取り組んでいますが、地磁気逆転のメカニズムは非常に複雑で、科学が進歩した現代においても解明には至っていません。その大きな理由の一つは、ホモ・サピエンスつまり現生人類が誕生してから地磁気逆転は起こっておらず、私たちは実際に逆転現象を観測したことがないからです。

ですが、我々にはこの謎に取り組む有効な手段があります。それは、千葉セクションをはじめとする地層や岩石に刻まれた過去の「地磁気の痕跡」です。その中から過去の地磁気の変動や逆転の記録を見出すことで、そのメカニズムの解明にチャレンジすることができるのです。

千葉セクション

地磁気逆転はなぜ起こるのか、前兆はあるのか、次はいつ起こるのか、逆転したらどうなるのか──研究が進むことによって、どこまで明らかになるでしょうか。『地磁気逆転と「チバニアン 」』では、この大きなテーマに迫っていきます。最新科学でも解き明かされていない謎を解くカギが、「チバニアン」を生んだ千葉セクションの地層に眠っているかもしれません。

今、地球の磁場が徐々に弱まっている──これは地磁気逆転の前兆なのか?

その謎を解くカギは、新・地質年代「チバニアン」が握っていた!
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