なぜAI時代に問題発見の重要性が増すのか?

連載『問題発見力を鍛える』vol.3
細谷 功 プロフィール

AIにできないのは「問題そのものを見つけること」

このような違いを始めとして、AIが得意なことと不得意なことを比較すると表のようになります。

いまのAIに求めらているのは「与えられた問題の答えを導く」という問題解決側であって、そもそも問題を見つけてくるのは人間であるという役割分担は比較的明快です(将来的には問題そのものをAIが見つけてくるという場面も考えられますが)。

ここで言っている問題発見というのも、「『問題を発見しなさい』という問題」を与えられてからではなく(それではもはや問題解決です)、「自ら能動的に」問題を見つける点が重要です。

したがって必然的にAIに問題を与えるのは人間の役割であり、そのために「そもそも解くべき問題は何か?」を問いとして発する能力、つまり問題発見の能力がより重要になっていきます。

 

またそこでAIに与える問題は曖昧性を排除した明確なものであることが求められます。現在のAIでは「適当にやっといて」とか「いい感じに仕上げといて」などという曖昧な問題では動き出すことができません。

言い方を変えれば、AIに与える問題は明確に「変数」が決められて、それを同じく明確に定義された前提条件の下で最適化するような問題であることが求められます。

さらに同様に、問題を解くための周辺のルール、例えば法律や組織内の標準プロセス等が明確に決められている世界では人間よりもAIの方が得意であることはこれまでの話から明確です。現状、多くの人が取り組んでいるとも思われるとにかく決められたルールを守る仕事は問題解決型の仕事です。

ここでの問題発見とは、例えばそのルールそのものが環境変化によって適切でなくなった場合に「本来ルールがどうあるべきか?」を考えて、新たにルールを作り直す方向にもっていくことです。