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日経平均コロナ暴落で、日銀「債務超過」の危険が迫っている

このショックはどこまで広がるのか

「ETF買い入れ枠倍増」の衝撃

日本銀行が“債務超過”に向かってひた走っている。

日銀は3月16日、緊急の金融政策決定会合を開催し、追加緩和策を打ち出した。新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に大きな影響を与えていることから、3月18、19日に予定していた会合を前倒しした。

追加緩和の主な内容は、ETF(上場投資信託)を現在の「年間6兆円に相当するペースで増加するよう買い入れる」から「年間約12兆円に相当する残高増加ペースを上限に積極的な買入れを行う」とし、買い入れ枠を倍増。その一方で、長期国債(10年物国債)については、「保有残高の増加額年間約80兆円をメドとしつつ弾力的な買い入れを実施する」との方針を据え置いた。

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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、世界経済への深刻な影響を懸念して急落が続く株価に対して、実質的な“公的資金による株の買い支え”となるETF買い入れ額の拡大が、日銀にとって最も簡単に強化できる追加緩和策だったのだろう。

日銀がETFの買い入れを開始したのは、2010年の白川方明総裁時代だ。この時、日銀は「株式市場のリスクプレミアム縮小」をETF買い入れの理由とした。つまり、リスクの大きい株式投資に対して、日銀がETFを買い入れることでリスクを小さくし、投資を活発化させようとしたのだ。この時の買い入れ額は年間4500億円だった。

2013年4月、黒田東彦総裁誕生とともに“異次元緩和”と呼ばれる大規模金融緩和策「量的・質的金融緩和」が開始され、ETF買い入れ額は年間1兆円に増額された。さらに、2014年10月の追加金融緩和で年間3兆円、2016年7月には年間6兆円にまで引き上げられた。

 

ETFの買い入れ拡大について日銀は、「株価の上昇は資産効果などを通じて個人消費を押し上げるほか、企業の資金調達環境やマインドの改善によって設備投資を促すことが期待できる」と説明した。そして、今回、買い入れ額は倍増され12兆円となった。