3月19日 小松左京の小説『日本沈没』が発売(1973年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1973年のこの日、SF作家・小松左京(1931-2011)の小説『日本沈没』が発売されました。

オイルショックやそれに続く「狂乱物価」が生み出した不景気の雲が日本を覆うなか、未曾有の大災害を描いた『日本沈没』は、未来への不安を隠せない人々の心にスルリと浸透し、上下巻で400万部に届こうかというミリオンセラーとなりました。

 

197X年、海底を調査していた潜水艦操縦士・小野寺俊夫と地球物理学者・田所博士は、日本列島の地下で進行する恐るべき大変動を察知する。日本列島の沈没に備え、政府は死に物狂いの退避計画に奔走する……というのが『日本沈没』のあらすじです。

『日本沈没』はたちまち人気を博し、映画やテレビドラマ、ラジオドラマ、漫画にもなりました。

映画『日本沈没』(1973年版)の予告映像

あらゆるメディアを通して紹介された『日本沈没』は、「地球の大地をなす硬い岩盤が揺れ動くことで地震が発生する」という当時の最新の学説「プレートテクトニクス理論」を一般に広めました。単なる娯楽小説ではなく、教育的側面をも持ち合わせていたのです。

小松左京(1983年撮影) Photo by Kodansha Photo Archives

2006年にはリメイク映画『日本沈没』が公開。小野寺俊夫役にSMAP(当時)の草彅剛さん、田所博士役に豊川悦司さん、レスキュー隊員・阿部玲子役に柴咲コウさんを起用し、こちらも大ヒットを記録しました。

そこそこ豊かな暮らしを享受してはいるが、どこか漠然とした不安を抱えたまま生きている日本国民。『日本沈没』という作品は、将来とんでもない破局が訪れるかもしれないという普遍的恐怖を象徴しているからこそ、複雑な魅力を持ち、時代を超えて生きる作品となっているのです。

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