地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1958年のこの日、アメリカが人工衛星ヴァンガード1号を打ち上げました。
ヴァンガード1号は、同年1月に打ち上げられたエクスプローラー1号に次いで、アメリカが2番目の打ち上げに成功した人工衛星です。
この時代には米ソ冷戦を背景として多くの技術開発競争がなされましたが、「宇宙開発」競争もその1つでした。ソ連の打ち上げた世界初の人工衛星・スプートニク1号に対抗するようにアメリカによって作られたのが、ヴァンガードやエクスプローラーなどの人工衛星シリーズだったのです。
ヴァンガード1号には、世界で初めて太陽電池が取り付けられていました。宇宙空間での太陽光発電は、天候に左右されず変換効率が良いという特徴があります。
こうした先端科学によって支えられたヴァンガード1号は、その観測によって、地球の形が完全な球体ではなく北がやや小さく南がやや大きい、いわゆる洋ナシ形であることを明らかにしました。
そのほかにも、宇宙空間の磁力線を計測するなど、1964年の通信途絶まで多くの成果をあげています。
「Vanguard」という言葉には「先陣」や「先導者」といった意味があります。いまも地球上空を飛んでいるヴァンガード1号はその名の通り、アメリカの宇宙開発を先導する成果を残したのです。