地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1964年のこの日、早川電機(現在のシャープ)とソニーが日本初の電卓を発表しました。
今では安価で手軽に利用でき、スマートフォンにも搭載されている電卓ですが、その黎明期にはまるで異なる姿をしていました。
1963年にイギリスのBell Punch and Sumlock-Comptometer社が発売した「Anita Mk.8」という製品が、世界初の商用電卓といわれています。その価格は約1000ドル(当時の36万円)。重さは約14kgと、現在では考えられないほど大型のもので、個人ではなく企業向けの商品として想定されていました。

当時主流だった機械式計算機の歯車を真空管に置き換えたAnitaは、計算速度が速くなった上に騒音に悩まされることもなくなったため人気を博しました。
これをみた早川電機は電卓に商機を見い出し、Anitaを購入。他社の製品を分解してその構造を学ぶ「リバースエンジニアリング」という手法で、電卓作りのノウハウを身につけます。
そして1年後の1964年、早川電機はトランジスタとダイオードを使用した国産初の電卓「コンペット CS-10A」を発表しました。価格はなんと53万5000円、当時の新車価格と同じ値段です。
Sharp desktop calculator 1964. First transistorized calculator by a Japanese manufacturer. Cost as much as a car. pic.twitter.com/PkcUdRxRdQ
— Evan Kirstel (@evankirstel) May 30, 2014
ともに「電卓戦争」を戦うこととなるソニーが自社初の電卓「Sobax」を発表したのと、奇しくも同じ日のことでした。
