大学で学ぶ意義とは何か? 世界のトップエリート校が考えていること

アクティブラーニング化の大きな課題
平田 オリザ プロフィール

見失われた入試改革の本質

1つの尺度で1つの能力だけを測る試験から、多様な尺度で多様な能力を見る試験へ、さらには共同体の多様な構成員を決めていく選抜へ、日本の大学入試も、いずれ、そのように変化をしていくだろう。
 
いや、今回の大学入試改革の本質も実はそこにあったはずなのだ。しかし、この点に関しては、もう多くの人が語らなくなってしまっている。大学入試改革構想の初期段階の志を、忘れてしまったのか、あるいは忘れたふりをしているのか。

 

日本の大学の生き残りのために

近年のノーベル賞の連続受賞にみられるように、過去の遺産を食い潰しながら、日本の大学人たちはかろうじて世界水準の研究を続けている。しかし、日本の大学がアジアの中でも相対的に競争力を失っていくだろうことは誰の目にも明らかだ(世界標準の大学ランキングに一喜一憂することにも注意が必要だろうが)。
 
世界の潮流から見て、日本の大学が生き残っていくためには、学内に多様性を確保し、常に「新しい学びの共同体」を創っていく以外に道はない。いくら授業をアクティブラーニング化しようが、英語での講義を増やそうが、学生の構成自体を変えなければ改革は絵に描いた餅に終わってしまう。

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