2016年春節時のラオックス銀座本店(筆者撮影)
# ラオックス # 新型コロナウイルス

「泣きっ面にコロナ直撃」のラオックス、“爆買いの聖地”はいま…

変革に挑むも「誤算」が襲う

相次ぐ不採算店舗の閉鎖

新型コロナウイルス被災は、世界の人とモノの移動に大きなブレーキをかけている。

世界観光機関(UNWTO)によると、2019年、世界各国が受け入れた海外からの旅行者数は、前年に比べ3.8%(5400万人)増加し、過去最多の14億6100万人だった。日本人の海外旅行者数も過去最多となり、初めて2000万人を超えた。訪日外国人数も3188万人と2年連続で3000万人を超え、過去最多の揃いぶみだった。

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今日の世界は、これだけ膨大な人々が国境を越えて移動する時代なのである。すべてはこの事態がいつ収束するかにかかっているが、今年の国内外の旅行者数は2011年の東日本大震災以来の大幅な減少となるだろう。

その影響を真っ先に受けるのは、宿泊や交通など旅行者のニーズを直接担ってきた観光産業だが、それだけではない。この10年、「インバウンド消費」の受け皿となってきた小売業界やサプライチェーンを拡張してきた製造業もだ。

なかでも、訪日外国人の旅行消費額全体の4割を占める中国人観光客御用達の免税店として知られる「ラオックス」を直撃するのは無理からぬ話だ。

 

先日発表されたラオックス株式会社(以下、ラオックス)の2019年12月期決算によると、純利益78.7億円の赤字を計上。相次ぐ不採算店舗の閉鎖に加え、本社を含めて希望退職者を募っていると聞く。

だが、これは新型コロナウイルス被災以前の業績であり、これからがさらなる試練の始まりだ。いまから5年前(2015年)、全国が沸いた中国人観光客の「爆買い」のシンボルとして一躍注目を浴びた同社に、いま何が起きているのだろうか。