新型コロナ「世界同時株安」最もヤバいのは「日本人の年金」の可能性

パンデミック・マーケットと信用緩和
近藤 駿介 プロフィール

「時間」が対策のキー?

「金融システム危機」を回避するためには景気悪化懸念の原因となっている新型コロナウイルスの感染拡大を食い止める対策と、「金融システム危機」を防ぐための金融・経済対策の両方が必要になる。

この二つの対策でキーになるのは「時間」である。それは、両者に対して「時間」が正反対の相関を持っていることだ。

新型コロナウイルスの感染拡大はある程度の「時間」を掛ければ食い止めることは可能なはずである。これに対して金融・経済は「時間」が掛かれば掛かるほど事態が悪化するのだ。

金融・経済対策が即効性の乏しいものに留まれば、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかる前に「金融システム危機」が現実のものになるリスクが高いのである。

したがって、政策当局に求められるのは、有効な新型コロナウイルスの感染拡大防止政策と同時に即効性のある金融・経済対策である。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気悪化を食い止めるために世界主要国が相次いで景気対策を打ち出し始めてきているが、減税や給付金、無利子・無担保融資といった従来の政策だけでは「時間」的に「金融システム崩壊危機」を回避できるかは疑わしい限りである。

 

日本では帝国データバンクが3月11日13時時点で「新型コロナウイルス関連倒産」が8件起きていることを公表しており、世界でみてもヨーロッパ最大級の地域航空会社の英フライビーが5日に破産を申請し、米国でもボーイングが138億ドル(約1兆4300億円)の融資枠を13日にも使い切り倒産法にあたるチャプター11適用を受ける可能性まで指摘されてきている。

このように新型コロナウイルスの感染拡大によって世界経済は既に「この1~2週間が瀬戸際」という状況に追い込まれている。