中国「新型コロナ封じ込め」強権の行く先は北朝鮮化か、それとも…

習近平とWHOは世界に謝罪すべきだ
大原 浩 プロフィール

人民解放軍は中国共産党の「親衛隊」だ

アドルフ・ヒットラーが率いた、ファシズム政党であるナチスはプロパンガダに秀でており、ヒットラー自身も、演説の前に鏡を見て身振りや手ぶりの練習をしたりした。今で言うイメージ戦略であり、その参謀が有名なヨーゼフ・ゲッペルスだ。

しかし、中国共産党も負けてはいない。人為的飢饉による餓死者も含め、リンチ・拷問・処刑による死者をおよそ8000万人(西側推計)出した愚策を「大躍進」「文化大革命」と呼ぶだけではなく、機関銃で武装して無防備な人民を追い立てる組織を「人民解放軍」と名付ける。

親衛隊は、ドイツ国軍とはまったく別個にナチス(ヒットラー)に忠誠を誓う私兵組織である(突撃隊も別途組織されていた)。人民解放軍も中国共産党に忠誠を誓う組織である上に、本当の意味での国軍が存在しない。共産主義中国では、ナチスの親衛隊が、国軍も兼ねているというような恐るべき状態なのだ。

この「人民解放軍」という奇妙な名前の集団が、今回の「武漢封じ込め」でも存在感を見せた。もちろん、感染対策の基本、特に初動は「封じ込め」を中心にすべきであり、日本政府が共産主義中国の封じ込めを行わずに、早期に中国から日本への入国を全面的に規制しなかったのは誤った対応である。

しかし、封じ込めは「より多くの人命を救う」という大きな効果があるとともに、封じ込められた人々にとっては「災難」という面もある。

ハリウッド映画で、感染症あるいはゾンビが広がり始めた街を、軍隊が封鎖するというシーンがよくある。架空の話ではあるが、封鎖地域から逃れようとして、撃ち殺される人々もいる。共産主義中国や北朝鮮では実際に行われているという話も伝わってくる……

実際、事実上の戒厳令が、病気で苦しむ中国人民を封じ込め、死に至らしめている。ウイグルやチベットの状況も心配だ。習近平氏が封じ込めようとしているのはウィルスではなく、「自由な言論」、すなわち「国民の声」である。

米人権団体フリーダムハウスの2019年末の調査では、共産主義中国は4年連続でネットの「自由度」が世界最低だった(北朝鮮などを含まない65カ国中)。

 

今回の武漢肺炎による封鎖は、ウイグルやチベットの「封鎖」で「隔離」されている人々に対して、収用所などでいったいどのようなことが行われているのか、世界中の人々が想像する材料を与えてくれた。