10年に一度のコロナ暴落…!それでも「今週中に底打ち」と言えるワケ

緊急経済対策はポイントを押さえている
宿輪 純一 プロフィール

危機時の金融市場

金融市場、例えば株式市場は上記の要因によって、変動しているが、ここまでに経済的要因を抑えていてもパニック的な下落(暴落)があった。どうしても、経済危機の時にはオーバーシュートが起きる。暴落とは社会や人間心理の「パニック」状況で発生するものなのである。

情報が完全で、ここの人間が合理的な判断ができるのであれば問題は起きない。しかし、そもそも現実には取引をしている人間は非合理で感情的な行動している。その部分は、行動経済学として研究されノーベル経済学の対象にもなった。

今回の暴落時のパニック的なメカニズムはこうなる。

通常であればリスクが高まると、株式が売られ、国債が買われて金利が下がるものであるが、今回は国債も売られ現金を手元に置いておこうとする投資家が多かった。同様に金が売られた。さらに企業に負担がかかる形の暴落であり、社債が売られ金利が上昇した。

日本円については、東日本大震災の時期でさえ買われて最高値を付けた低リスク通貨である。自国が危機でもリスク回避の対象となるほどの低リスク通貨に関わらずである。

通常、株価暴落などのリスクが高まると円は買われる。しかし、今回は、新型ウイルス感染の震源地が近くの中国であり、東京オリンピック開催不安という特殊事情があることから、為替レートが振れはさらに大きなものとなった。

市場取引の原則として、評価損が大きくなると損失が出ても売却して市場変動から離れる「損切り」を行う。この損切りという行為こそ、この非合理的・感情的な人間にとって象徴的な行為なのである。

筆者自身も経験があるが、ディーラー(個人でもそうであろうが)損失の制限金額を定められている。そのような状態になるときはまさに「自己を失っている」ときが多く、冷静になるためにも、いったん休止して「落ち着く」ために、損切りは重要である。

 

また「証券取引所」には、一般的に「サーキットブレーカー」という制度がある。意味は電気回線のブレーカーと同じく、価格が極端に動いた時に、一時的に取引を止める制度で、「“落ち着く」時間を設定するものだ。

例えば東京証券取引所は10%の急激な値動きで10分休む。今回、ニューヨーク証券取引所もサーキットブレーカーが発動された。