自宅を売って1000万円で「美しい農村」に引っ越し、夫婦は崩壊した

日に日につらくなってゆく…
週刊現代 プロフィール

妻と口論ばかり

田舎暮らしに反対した妻を「俺の最後の夢だから」と説得したが、いまでは妻から「やっぱりやめておけばよかったんです」と文句を言われる毎日だという。

「一番つらいのは、それまで良好だった夫婦関係が険悪になったことです。妻には近所に友達と呼べる人もおらず、特に仕事や近所の役割があるわけでもない。

話し相手は私しかいない。私を責めるような口調で毎日愚痴をこぼすので、精神的にも参ってしまいます」

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三浦さんが以前住んでいた家は、国道沿いにあり、夜中になるとトラックの通る音や振動で目が覚めることもあったという。

こんなところに住むよりは、空気のいいところで老後を過ごしたほうが健康にもいい。家はあちこちにガタが来ているし、子どもも独立して夫婦2人で暮らすには広すぎる。そんな不満ばかりだったあの家が、いまでは無性に懐かしい。

近所には田舎暮らしの大変さを説いてくれた人もいたけれど、「自分は大丈夫」と大見栄を切って町を出ていった。いまさら戻っても、笑いものになるだけだろう――。

「定年後に自宅を売って田舎や郊外での生活を始めたものの、すぐに『自宅を売るべきではなかった』と後悔する人は少なくありません」というのは、ファイナンシャルプランナーの大沼恵美子氏だ。

 

「私の知人夫婦も、市川に所有していた自宅を売却し、晴耕雨読の生活を夢見て、茨城県に畑付きの家を購入しました。

引っ越した当初は快適なセカンドライフを送っていましたが、1年前に夫が軽度の脳梗塞になり、歩行の自由が利かなくなってから、生活が一変したのです」