何事にも臨界点と言うのがあって、行くところまで行くと雪崩打つように事が進んでしまう。
アパレルブランドを正価(フルプライス)で買うか割引価格(オフプライス)で買うかも、割引価格で買う方が多数派になってしまえば正価で買うのは馬鹿らしくなるから、もはや誰も正価では買わなくなる。米国ではとっくに現実になっているが、日本でもどうやら一線を超えたようなのだ。
3月7日、相模原のニトリモールにオフプライスストアの「アンドブリッジ」が売場面積150坪の2号店を開設。3月19日にはオフプライスストアの「ラックラック・クリアランスマーケット」が新所沢パルコに224坪の5号店を開店し、3月24日にはあのドン・キホーテも「オフプラ」の1号店を名古屋郊外に開設する。
ブランドが自社の余剰在庫を値引き処分するアウトレットストアに対し、ブランドが放出した余剰在庫を仕入れて値引き販売するのがオフプライスストアだ。
米国では大手4社だけでも600坪から2000坪のストアを7300店も展開して703億ドルを売り上げ、大手百貨店4社合計売上の596億ドルを18%も上回る。百貨店のセールやアウトレットまで含めると米国市場のオフプライス購入は8割に迫り、カード会員優待まで含めるとブランド品のフルプライス(正価)購入はもはや数%でしかない。
そこまで来るとフルプライスで購入するのは流石に馬鹿らしいから、雪崩打つようにオフプライスに流れてしまう。