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# 新型コロナ

非常事態宣言…コロナ感染で「弱点」をつかれた米国と日本の大きな違い

医師で経営学者が見た感染症のこれから

新型コロナ、「政策」が経済をおかしくする

著者は医師(総合内科専門医)であるが、MBA(経営学修士)や経済学博士を持ち、現在ビジネススクールで教えている。多面的な視点で日本・中国・アメリカ・ヨーロッパにおいて、新型コロナウイルスの今後の感染状況がどのように各国の経済に影響を及ぼすのかを考えることで、微力ながら日本への提言を試みたい。

主として感染の影響は実体経済に現れてくると考えられるので、実体経済を中心に金融経済についても触れてみる。数字で物事を語ることになるので、非常時に冷たい感じがするかもしれないがお許しいただきたい。

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感染症がどのように経済に影響を及ぼすのかを考えると、昔のコレラやペストのように非常に多くの国民が死亡するような感染症でなければ、感染症自体の直接の経済への影響はさほど大きくない。むしろ感染症が蔓延しないようにするために国で行う政策によって経済に影響を及ぼすと考えたほうがいい。

たとえば日本の政策であれば、2月26日のイベントの自粛要請とか2月28日の小学校中学校高校の休校要請であるといった政策である。

もちろん国の政策は感染症対策として打たれるわけであるから、多少は世論によって動かされる部分もある。そのため、感染症があまり広がらなければ経済に大きな影響を与える対策を打たず、国がこの感染症は国民に大きな影響を及ぼすと考えれば強い対策を打つのである。

諸外国の感染者が日本を上回るのは当然

感染症がどの程度蔓延するかは、ざっくりとした予測であれば国の医療制度を知っていれば推測できる。

たとえば、筆者は3月に開催予定の米国のカンファレンスに参加しようとしていた(結局カンファレンスが中止)こともあり、米国に新型コロナウイルスがどのように広がっていくかを気にしていた。そして、せっかく調べるなら発信しようということで、Facebookに情報を上げていた。

 

たとえば3月6日には次のようにアップしている。

「米国はかなりまずい状況のようです。米国の医療制度は感染症には全く弱い仕組みです。どこかのニュースでトランプがアメリカの医療制度は世界一だと寝ぼけたことを言っていましたが……。そして、私の本(注:『日本の医療、くらべてみたら10勝5敗3分けで世界一』)で書いているように世界一の医療制度をもつ日本は感染者の数もドンドン他国に追い抜かされています。もちろん日本でもおなくなりになった方もおられ良い状況ではないことはわかっています。しかし他国との比較でみるとこうなるだろうということは予測できていました。」